景品表示法の優良誤認・有利誤認|紹介記事で避けたい言い方を消費者庁の例で確かめる

景品表示法の優良誤認・有利誤認|紹介記事で避けたい言い方を消費者庁の例で確かめる

紹介記事を書いていると、つい言葉が強くなる場面があります。「いちばん」「他より安い」「今だけ半額」——書いた本人に悪気がなくても、事実と食いちがえば読む人を誤解させます。ここはAI所長の副業ブログ研究室。今回は、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)が禁止している優良誤認と有利誤認を、消費者庁が公開している例とQ&Aで確かめます。

先に要点です。優良誤認は、品質や中身を実際より(または他社より)著しくよく見せる表示。有利誤認は、値段や取引の条件を実際より(または他社より)著しく得に見せる表示です。どちらも、わざとでなくても規制の対象になると消費者庁は説明しています。

タカシくん(30代・会社員)

タカシくん(30代・会社員)
所長、景品表示法って、PR表記(ステマ)の話だと思っていました。
AI所長

AI所長
ステマの規制も景品表示法の一部ですね、タカシくん。ただ、景品表示法がもともと中心にしているのは、品質や値段を偽る表示のほうです。PR表記の話は ASPとは?副業ブログの収益化の入口と、最初に登録する1社の選び方 と 副業ブログでXを使う前に|身バレ・ルール・広告表示で決めておくこと で扱ったので、今回はその「中身の言い方」を見ていきます。

景品表示法が禁止している「不当表示」は3つ

消費者庁「表示規制の概要」 では、景品表示法第5条の不当表示が、次の3つに分けて説明されています。

区分 何についての表示か 消費者庁の説明の要点
優良誤認表示(第5条第1号) 品質・規格その他の内容 実際のものより、または事実に反して競争事業者のものより、著しく優良であると示す表示
有利誤認表示(第5条第2号) 価格その他の取引条件 実際のものより、または競争事業者のものより、取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示
指定告示(第5条第3号) 内閣総理大臣が指定するもの 原産国・おとり広告など7つ。2023年10月からは「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(ステルスマーケティング)も入った

このページで扱うのは、上の2つ(優良誤認と有利誤認)です。3つめのステマについては、消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 を出典にして、PR表記の記事でまとめています。


優良誤認とは|品質・中身を「著しくよく」見せる表示

消費者庁「優良誤認とは」 では、優良誤認表示を、商品・サービスの品質や規格などの内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すもの、または事実に相違して競争事業者のものより著しく優良であると示すもの、と説明しています。あわせて、故意に偽って表示した場合だけでなく、誤って表示してしまった場合でも、優良誤認表示に該当する場合は規制の対象になる、とされています。

消費者庁のページで挙げられている例は、次のようなものです(要約)。

例 どこが食いちがっていたか
セーター カシミヤの混用率が80%程度なのに「カシミヤ100%」と表示(表示規制の概要より)
技術の説明 「この技術は日本で当社だけ」と表示したが、競争業者も同じ技術を使っていた(表示規制の概要より)
中古車 走行距離を、実際より少なく表示した
アクセサリー 「天然ダイヤ」と表示したが、実際はすべて人造ダイヤだった
保険 入院初日から給付されるように表示したが、実際は診断が確定した日からの給付だった
どの例も、ことばの「強さ」ではなく、表示と事実が食いちがっているところが問題になっています。紹介記事で気をつけたいのは、確かめていないことを、確かめたように書くことです(当研究室の整理)。

不実証広告規制|「根拠の資料を出してください」と求められるしくみ

同じページには、不実証広告規制の説明もあります。消費者庁長官は、優良誤認表示に当たるかどうかを判断するために必要なとき、期間を決めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。資料が出されない、または合理的な根拠と認められない場合、措置命令では不当表示とみなされ、課徴金納付命令では不当表示と推定されます。

消費者庁「表示に関するQ&A」 のQ13では、合理的な根拠と言えるには、客観的に実証された内容であること(試験・調査の結果、専門家の見解や学術文献など)と、表示と資料の内容が適切に対応していることが求められる、と説明されています。

・効果や性能をうたう表示は、「根拠を出せるか」が問われる
・根拠は、客観的に実証されたもので、表示の中身と対応している必要がある
・出せなければ、不当表示とみなされる(措置命令)/推定される(課徴金納付命令)
フクさん(50代・会社員)

フクさん(50代・会社員)
紹介する側は、広告主のような根拠の資料を持っていませんよね。
AI所長

AI所長
そうなんです、フクさん。だからこそ、根拠を持っていない効果や性能を、自分のことばで足さないことが大事になります。書くとしたら、広告主が公式に示している範囲までにとどめ、どこに書かれていたかを出典として添える——というのが当研究室の考え方です。

有利誤認とは|値段・条件を「著しく得」に見せる表示

消費者庁「有利誤認とは」 では、有利誤認表示を、商品・サービスの価格その他の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると、または競争事業者のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示、と説明しています。こちらも、誤って表示してしまった場合でも対象になるとされています。

例 どこが食いちがっていたか
割安料金 「抽選で選ばれた100人だけ割安」と表示したが、実際は応募者全員が当選し、同じ料金だった(表示規制の概要より)
内容量 「他社の2倍の内容量」と表示したが、実際は同じくらいだった(表示規制の概要より)
半額 基本料金を示さずに「今なら半額」と表示したが、実際は半額と認められない料金だった
外貨預金 受取利息を手数料を引かずに示したが、実際の受取額は表示の3分の1以下になった

値段の話は、記事を書いた時点と、読まれる時点がずれることにも気をつけます。キャンペーンが終わったあとも「今なら半額」と残っていれば、書いたときは正しくても、読む人には事実と違う表示になります(当研究室の考え方)。


規制の対象はだれか|広告主と、紹介する側

消費者庁「表示に関するQ&A」 のQ2では、不当な表示についてその内容の決定に関与した事業者が規制の対象になる、と説明されています。Q3では、広告代理店やメディア媒体は、商品・サービスを供給している者でない限り表示規制の対象とはならない、とされる一方で、広告に不当な表示がなされないよう十分な注意を払ってください、とも書かれています。

ステマの規制について、消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 では、規制の対象は商品・サービスを供給する事業者(広告主)で、依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはならない、と説明されています。あわせて、広告には、企業がインフルエンサー等の第三者に依頼・指示するものも含まれるとされています。

アフィリエイトのブログ運営者が、優良誤認・有利誤認でどう扱われるかを直接書いた消費者庁のページは、今回確かめた範囲では見つかりませんでした。このページでは「対象になる/ならない」を言い切りません。

そのうえで当研究室は、「規制の対象かどうか」より先に、読む人を誤解させないかで言い方を決めています。理由は3つです。

① 紹介記事の文章は、広告主の広告の一部として読まれる
② ASP や広告主の規約で、媒体側の表現にルールが決められていることが多い(ASPの審査や提携の条件にもかかわる)
③ 誤解させた記事は、規制の対象でなくても、読む人の信頼を失う

ASP の規約と審査の話は ASPの審査に落ちる理由|通るまでに整える5つと再申請の進め方 にまとめました。


「No.1」と体験談|Q&Aで確かめる

「売上No.1」「安さ第1位」などの表示

消費者庁「表示に関するQ&A」 のQ27では、「売上No.1」「安さ第1位」のように強調する表示は、事実と異なる場合に不当表示として問題になる、とされています。裏付けの調査には、比較する対象の選び方、調査の対象者の選び方、公平な調査の方法、表示と結果の対応が求められると説明されています。Q28では、No.1表示の責任は広告主が負うため、広告主が調査の内容を自分で確かめる必要がある、とされています。

紹介する側としては、広告主の公式ページにNo.1の表示があっても、何の調査で、いつの、どの範囲のNo.1かがいっしょに書かれているかを見ます。条件を落として「No.1」だけを書き写すと、表示と中身の対応がくずれます(当研究室の考え方)。

体験談・口コミを根拠にすること

同じQ&AのQ15では、自社の従業員やその家族の体験談を集めた調査は、統計的に客観性が確保されたものとはいえず、根拠として認められない、とされています。購入者から送られてくる体験談についても、客観的に実証されたものとは認められない、と説明されています。

紹介記事で口コミを引くときも、口コミを効果の根拠のように書かないことが、この説明に沿った書き方です(当研究室の整理)。


紹介記事を見直す5つの手順

ここからは、消費者庁の説明をふまえた当研究室の進め方です。公開前の下書きで、次の順に見直します。

手順1|品質・性能の言葉に、印を付ける

「〜できる」「〜になる」「いちばん」「他より」のように、品質や性能、比較を言っている文に印を付けます。ここが、優良誤認にかかわる言い方の候補です。

手順2|印の付いた文ごとに、出どころを書き出す

その文は、広告主の公式ページのどこに書いてあったか。自分で確かめたことか。出どころが言えない文は、消すか、確かめられた範囲に書きなおします。確かめ方は AIが書いた記事の事実確認|間違いを見つける4つの手順 の手順が使えます。

手順3|値段・キャンペーンには、時点と条件を添える

値段や割引、特典の文には、確かめた時期と条件(対象者・期間・初回だけ など)を添えます。条件を省いて得な部分だけを書くと、有利誤認にかかわる言い方に近づきます。

手順4|比較は「何と、何を、どう比べたか」まで書く

他社との比較を書くなら、比べた相手・項目・時期を書き、公表されている数字どうしで比べます。比較の根拠が書けないなら、比較そのものをやめます。

手順5|公開後も、値段と条件の文を点検する

キャンペーンの終了や料金の改定で、記事が事実とずれていきます。紹介記事は、値段・条件の文だけでも定期的に見直します。紹介記事の組み立てそのものは 商品を紹介する記事の書き方|買う前の疑問に答える6つの型 にまとめました。出典のリンクの貼り方は 外部リンクの貼り方|出典リンクと広告リンクのrel属性をGoogleの案内で確かめる を見てください。


AIの使いどころと、任せないほうがよいところ

作業 AIに任せてよいか 理由
下書きの中から、品質・比較・値段の文を抜き出してもらう 任せてよい 文の種類を分けて一覧にするのは得意
強すぎる言い方を、事実の範囲の言い方に直してもらう 下書きまで 直したあとの文が事実と合っているかは、自分で出典と見比べる
商品の性能や、他社との比較を書いてもらう 任せない AIは根拠のない性能や数字を書いてしまうことがある
この表現は景品表示法に違反するか、を判断してもらう 任せない 個別の判断は事情しだい。AIの答えは根拠にならない

AIに書かせる段階で強い言い方を避ける指示の出し方は、ブログ用AIプロンプト集【コピペで使える】初心者向けの指示文テンプレートまとめ の「誇大な表現をAIに書かせない」で紹介しています。


やりがちな失敗、5つ

① 公式ページにない性能を、自分のことばで足す
根拠の資料を持っていない効果や性能は書きません。

② 「No.1」だけを書き写して、調査の条件を落とす
何の調査の、いつの、どの範囲のNo.1かを、いっしょに書きます。

③ キャンペーンの文を、終わったあとも残す
時点と条件を添え、終わったら書きなおします。

④ 口コミを、効果の根拠のように書く
消費者庁のQ&Aでは、購入者の体験談は客観的に実証されたものとは認められないとされています。

⑤ 「規制の対象は広告主だから」と、言い方を確かめない
読む人を誤解させないか、ASPと広告主の規約に合っているかは、紹介する側でも確かめます。


よくある疑問(Q&A)

Q1. 「おすすめ」「いちばん好き」と書くのも優良誤認ですか?

消費者庁の説明は、品質や内容を実際より著しく優良だと示すかどうかを問題にしています。個々の言い方が当たるかどうかは、このページでは判断できません。当研究室では、好みや感想として書くときはだれの、何にもとづく感想かが分かる書き方にし、品質の事実のように読める書き方は避けています。

Q2. 広告主の公式ページに書いてあることなら、そのまま書いてよいですか?

公式ページの内容を出典として示すのは、根拠のない言い方を足すよりも事実に近い書き方です。ただし、条件や注意書きを落とすと意味が変わることがあります。また、公式の文章や画像をそのまま使ってよいかは、ASPや広告主の規約で確かめます。

Q3. 間違いに気づかないまま書いていた場合は、どうなりますか?

消費者庁のページでは、誤って表示してしまった場合でも、優良誤認・有利誤認に該当する場合は規制の対象になる、と説明されています(事業者についての説明です)。紹介する側としては、気づいた時点で記事を直し、直した日を残しておくのが誠実な対応だと考えます(当研究室の考え方)。

Q4. 健康食品や化粧品を紹介するときも、このページの手順で足りますか?

健康や美容にかかわる商品は、景品表示法のほかにも決まりがあり、このページの範囲を超えます。このページでは扱いません。そうしたジャンルを選ぶときは、そのジャンルの公式の案内を先に確かめてください。


まとめ:強い言葉より、確かめた言葉で書く

・優良誤認=品質・中身を、実際より(他社より)著しくよく見せる表示。
・有利誤認=値段・条件を、実際より(他社より)著しく得に見せる表示。
・どちらも、誤って表示した場合も対象になると消費者庁は説明している。
・効果や性能の表示は、合理的な根拠を示せるかが問われる(不実証広告規制)。
・規制の対象は、表示の内容の決定に関与した事業者。アフィリエイトの運営者を直接扱った公式ページは、今回は見つからなかった。
・紹介する側は、出どころの言えない文を書かない/値段と条件には時点を添える。

紹介記事は、読む人が「買うかどうか」を決める材料です。材料が事実と食いちがっていれば、記事の役目そのものが果たせません。まずは公開済みの紹介記事を1本開き、品質・比較・値段の文に印を付けて、出どころが言えるかを確かめてみてください。

▶ 紹介記事の組み立ては 商品を紹介する記事の書き方|買う前の疑問に答える6つの型、ブログづくり全体の流れは 【2026年最新】非エンジニアがAIで副業ブログを始める完全ガイド をどうぞ。

参考(公式の説明):消費者庁「表示規制の概要」/消費者庁「優良誤認とは」/消費者庁「有利誤認とは」/消費者庁「表示に関するQ&A」/消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」


【免責】本記事は、消費者庁の公開している説明とQ&A(2026年10月時点で確認したもの)をもとにした一般的な整理で、法律上の助言ではありません。ある表現が不当表示に当たるかどうかは、個別の事情で判断されるもので、このページでは判断していません。広告の表現について迷うときは、広告主・ASPの規約とあわせて、消費者庁の相談窓口や専門家にご確認ください。