WordPressの管理画面を開くと、左のメニューに数字の付いた丸が出ている。「更新があります」の知らせです。けれど、押したら画面が崩れるのではないか、記事が消えるのではないか——そう思って、そのままにしてしまう。ここはAI所長の副業ブログ研究室。今回は、WordPressの本体・テーマ・プラグインを、壊さずに更新する手順を、WordPress公式のドキュメントに沿って整理します。
先に結論です。更新は先送りにしないものです。公式のドキュメントは、古い版には安全のための更新が届かなくなると説明しています。そのうえで、①バックアップをとる ②1つずつ更新する ③終わったら決まった場所を見る——この3つを手順にしておけば、怖さはかなり減ります。万一、画面が真っ白になっても、WordPressには管理画面に入り直すためのしくみがあります。
なぜ更新するのか|古い版には、安全のための更新が届かない
WordPress公式ハンドブック「Hardening WordPress」(英語) では、WordPressは新しく見つかった安全上の問題に対応するため、定期的に更新されると説明されています。そして、古い版のWordPressには、安全のための更新が提供されないとも書かれています。
同じページでは、サイトへの攻撃の入口の例として、古いままのプラグインやソフトウェアが挙げられ、プラグインは常に更新し、使っていないものはシステムから削除するようすすめています。更新は「見た目を新しくする作業」ではなく、鍵を付け替える作業に近いものです。
更新するものは4つ|「更新」の画面でまとめて見られる
WordPress公式ドキュメント「Dashboard Updates screen」(英語) によると、管理画面の[ダッシュボード]→[更新]の画面では、次のものの更新をまとめて確認できます。
| 更新するもの | 中身 | ほかに更新できる場所 |
|---|---|---|
| WordPress本体 | 管理画面や投稿の機能など、WordPressそのもの | [ダッシュボード]→[更新] |
| プラグイン | あとから足した機能(フォーム、バックアップなど)。使っていないものも含む | [プラグイン]の一覧 |
| テーマ | サイトの見た目と配置 | [外観]→[テーマ] |
| 翻訳 | 管理画面などの日本語の表示 | [ダッシュボード]→[更新] |
WordPress公式ドキュメント「Plugin and themes auto-updates」(英語) でも、本体・プラグイン・テーマ・翻訳の更新は[ダッシュボード]→[更新]で、テーマは[外観]、プラグインは[プラグイン]の画面でも管理できる、と説明されています。更新があると、管理画面のメニューに数字の付いた丸が出ます。
サーバー側の「PHP」も、古くなる
WordPressを動かしているPHP(サーバーの上で動くプログラムの言葉)にも版があります。WordPress.org「Requirements」(英語) では、PHP 8.3以上を推奨しています。あわせて、PHP 7.4以上でも動くものの、それらの古い版は公式のサポートが終わっていて、安全上の弱点にさらされるおそれがあるとも書かれています。
PHPの版はWordPressの画面ではなく、契約しているレンタルサーバーの管理画面で切り替えるのが一般的です。手順はサーバー会社ごとに違うので、公式マニュアルで「PHP バージョン」を探します。サーバー選びの考え方は AIブログのサーバー・ドメインの選び方 にまとめました。
自動で入る更新と、自分で押す更新
WordPressには、知らないうちに済んでいる更新と、自分で押さないと進まない更新があります。
| 種類 | 公式の説明(要点) | 自分ですること |
|---|---|---|
| 本体の小さな更新・安全のための更新 | WordPress 3.7以降、多くのサイトでは裏側で自動的に適用される | ほぼなし。終わったかを「更新」画面で見る |
| 本体の大きな更新(機能の追加) | 「今すぐ更新」を自分で押す必要がある | バックアップのあとで押す |
| プラグイン・テーマ | WordPress 5.5以降、1つずつ自動更新をオンにできる。初期の状態では自分で更新する | 自動にするかを1つずつ決める |
出典は WordPress公式ドキュメント「Updating WordPress」(英語) と WordPress公式ドキュメント「Plugin and themes auto-updates」(英語) です。プラグインとテーマの自動更新をオンにした場合、公式の説明では1日2回実行され、成功したときも失敗したときも、サイトの管理者にメールで知らせるのが初期の動きとされています。
更新の前に|バックアップは「データベース」と「ファイル」の2つ
WordPress公式ドキュメント「Updating WordPress」(英語) は、更新を始める前にサイトのバックアップをとっておくのがよいとしています。問題が起きても元に戻せるからです。WordPress公式ドキュメント「Dashboard Updates screen」(英語) でも、本体の更新の前にデータベースとファイルをバックアップするよう注意が出ます。
2つそろって、はじめて元に戻せる
WordPress公式ハンドブック「Backups」(英語) によると、WordPressのバックアップはデータベースとファイルの2つに分かれ、両方がないと、ふつうのWordPressのサイトは元どおりにできないと説明されています。
| 入っているもの(公式の説明の要点) | なくなると | |
|---|---|---|
| データベース | 投稿・コメント・リンクなど、書いたもの | 記事の中身が消える |
| ファイル | 本体・テーマ・プラグイン・アップロードした画像・設定ファイルなど | 見た目や画像、設定が戻らない |
同じページでは、ファイルをダウンロードしても、データベースは一緒には保存されない(別の場所にあるため)とも注意されています。「サーバーのファイルを全部とったから安心」とは限らない、ということです。
どのくらいの頻度で、何個残すか
同じページの目安は次のとおりです。
・更新の前には、毎回
・直近の3〜5個を、別々の場所(サーバー・クラウドの保存先・手元のパソコンなど)に残す
・自動のバックアップを使っていても、ときどき手動でもとり、しくみが動いているかを確かめる
バックアップの方法は、レンタルサーバーの自動バックアップ機能か、バックアップ用のプラグインが中心です。どちらを使うかは、契約しているサーバーの機能を先に確かめてから決めます。サーバー側の機能で戻す手順は、会社ごとの公式マニュアルを見ます(当研究室の考え方)。
更新の手順|1つずつ押して、そのたびに見る
ここからは、当研究室の考え方として、ひとりで運営する副業ブログ向けの手順を並べます。公式のドキュメントが示しているのは「前にバックアップ」「最新の版にする」「終わったらキャッシュを消す」までで、順番の決まりはありません。
| 手順 | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 1 | バックアップをとる(データベースとファイル) | 戻れる場所を先に作る |
| 2 | 「更新」画面で、何が更新されるかを書き出す | 崩れたとき、どれが原因か追えるようにする |
| 3 | 使っていないプラグインがあれば、先に削除する | 更新する数を減らす |
| 4 | プラグインを1つずつ更新し、そのたびにサイトを開いて見る | 原因を1つに絞れる |
| 5 | テーマを更新して、見た目を確かめる | 見た目の崩れを早く見つける |
| 6 | 本体の大きな更新があれば、最後に押す | 一度に変わる量を小さくする |
| 7 | キャッシュ用のしくみがあれば消し、次の「見る5か所」を確かめる | 古い表示のまま確認しないため |
まとめて全部にチェックを入れて一度に更新することもできます。ただ、その方法で表示が崩れると、どれが原因か分からなくなります。数が少ないうちは、1つずつのほうが結局早く済みます。
時間帯は、読まれる人の少ない時間で、そのあと30分ほど手が空いているときを選びます。出かける直前や、寝る前に押すのは避けます(当研究室の考え方)。
更新したあとに見る5か所
WordPress公式ドキュメント「Updating WordPress」(英語) では、更新が終わったらキャッシュを消す(消さないと、自分を含む訪問者に古い版が見え続ける)、ログインがおかしいときはブラウザのCookieを消す、と案内されています。そのうえで、次の5か所を見ます。
□ 2 記事を1本:本文・画像・表・吹き出しなどの飾りが表示されているか
□ 3 スマホの幅:狭い画面ではみ出していないか
□ 4 お問い合わせフォーム:送信して、自分に届くか
□ 5 管理画面:投稿の画面が開き、下書きの保存ができるか
スマホの幅での見方は ブログのスマホ表示を公開前に確認する方法、フォームの確かめ方は ブログのお問い合わせフォームの作り方 の最後の手順と同じです。大きな更新のあとは、表示の速さも一度測っておくと、変化に気づけます(ブログの表示速度の確かめ方)。
画面が真っ白・「重大なエラー」が出たとき
更新のあとにサイトが開かなくなったときに備えて、WordPressには管理画面に入り直すためのしくみがあります。Make WordPress Core「Fatal Error Recovery Mode in 5.2」(英語) によると、WordPress 5.2から、致命的なエラーが起きると次のように動きます。
2 サイトの管理者のメールアドレスに、問題を知らせるメールが届く。そこに「リカバリーモード」に入るための専用のリンクが付いている
3 リンクから入ってログインすると、エラーの原因になっているプラグインやテーマが一時停止された状態で管理画面が開く
4 どれが止まっているか、どんなエラーかが表示されるので、そのプラグインを無効にするなどの対応ができる
そのほかの戻し方
WordPress公式ドキュメント「Updating WordPress」(英語) では、更新のあとに問題が出たときは、バックアップから元に戻せると説明されています。また、「更新に失敗した」という知らせが残り続けるときは、WordPressのフォルダにある .maintenance というファイルを消すと消える、とも書かれています。ただし、サーバーのファイルを直接触る作業は、慣れていないと別の問題を起こしがちです。自分で触る前に、サーバー会社の公式マニュアルやサポート、テーマ・プラグインの作者の窓口に相談するのが安全です(当研究室の考え方)。
テーマのファイルを直接書き換えていると、更新で消える
更新でいちばん困るのは、自分で足した変更が消えることです。WordPress公式ハンドブック「Child Themes」(英語) では、テーマの functions.php に直接コードを足すのは良いやり方ではなく、次にテーマを更新したとき、その変更は消えてしまうと説明されています。そのための方法が子テーマで、親のテーマを直接書き換えずに変更を加えられるため、親のテーマを更新しても変更が失われないとされています。
WordPress公式ドキュメント「Updating WordPress」(英語) でも、本体を手作業で更新するときの注意として、標準のテーマを名前を変えずに書き換えていると、変更が上書きされて失われることがある、と書かれています。
多くの有料・無料のテーマでは、テーマの作者が子テーマを配っていたり、設定画面に「追加のCSS」などの欄があったりします。まずはテーマの公式マニュアルで、変更をどこに書けば更新で消えないかを確かめます。テーマ選びの段階での考え方は 初心者向けWordPressテーマの選び方、コードを貼る前の注意は ブログの構造化データとは にも書きました。
プラグインとテーマの自動更新は、オンにするか
WordPress公式ドキュメント「Plugin and themes auto-updates」(英語) によると、自動更新はテーマは[外観]のテーマの詳細から、プラグインは[プラグイン]の一覧の「自動更新」の列から、1つずつオン・オフできます。プラグインは、まとめて操作することもできます。
同じページでは、自動更新をオンにする前に、何かあったときに前の状態のサイトに戻せるようにしておくこと、つまり定期的な自動のバックアップをすすめています。
| 自動更新をオン | 自分で更新 | |
|---|---|---|
| よいところ | 更新を忘れない。安全のための更新が早く入る | 更新のたびに表示を確かめられる |
| 気をつけるところ | 知らないうちに表示が変わることがある。メールの知らせを見る | 忘れると古いまま残る |
| 向いているもの(当研究室の考え方) | 作者の更新が安定している、表示に関わらない小さなプラグイン | テーマ、表示を大きく変えるプラグイン、フォーム |
どちらにするにしても、バックアップが定期的にとれていることが前提です。なお公式の説明では、自動更新が動くかどうかは、サーバーや入れているプラグインによって変わることがあり、動いているかは[ツール]→[サイトヘルス]でエラーが出ていないかで確かめられる、とされています。
サイトヘルスで、いまの状態を確かめる
WordPress公式ドキュメント「Site Health screen」(英語) によると、[ツール]→[サイトヘルス]の画面では、WordPressの設定の状態が診断され、「致命的な問題」「おすすめの改善」「合格したテスト」に分けて表示されます。
同じページで「致命的な問題」の例として挙げられているものには、次のようなものがあります。
・WordPress.orgにつながらない(新しい版の確認や、本体・テーマ・プラグインの更新に必要)
・古い版のPHPで動いていて、更新が必要
・更新を待っているプラグインがある
更新の前後に一度開いて、赤い印の項目がないかを見ておくと、自分では気づきにくい問題を拾えます。書かれている内容が難しいときは、その文面のままサーバー会社やテーマの窓口に伝えると、話が早く進みます(当研究室の考え方)。
AIの使いどころと、任せないほうがよいところ
| 作業 | AIに任せてよいか | 理由 |
|---|---|---|
| サイトヘルスやエラーの文面(英語)を、日本語でかみくだいてもらう | 任せてよい | 意味をつかむ手助けになる。対応は公式の案内で確かめる |
| 更新の前に書き出した一覧から、確認の手順表を作ってもらう | 下書きまで | 自分のサイトに合わない項目が混ざる。自分で直す |
| エラーを直すために、ファイルを書き換えるコードを書いてもらう | 任せない | 間違うとサイトが開かなくなる。作者の窓口やサーバー会社に相談する |
| サーバーの管理画面の操作手順を聞く | 任せない | 会社ごとに違い、古い手順が混ざりやすい。公式マニュアルを見る |
AIの答えの確かめ方は AIが書いた記事の事実確認|間違いを見つける4つの手順 と同じ手順が使えます。
やりがちな失敗、5つ
① 怖くて、更新の知らせをためこむ
古い版には安全のための更新が届きません。まとめて押すほど、崩れたときの原因も追いにくくなります。
② バックアップをとらずに、大きな更新を押す
公式は、更新の前のバックアップをすすめています。データベースとファイルの2つです。
③ 全部にチェックを入れて、一度に更新する
表示が崩れたとき、どれが原因か分からなくなります。1つずつ押して、そのたびに見ます。
④ テーマのファイルに直接コードを足している
テーマを更新すると消えます。子テーマや、テーマが用意している欄に書きます。
⑤ 管理者のメールアドレスを、見ていないアドレスのままにする
エラーのときの入り直し用のリンクは、このアドレスに届きます。
よくある疑問(Q&A)
Q1. 更新したら、書いた記事が消えることはありますか?
記事はデータベースに入っていて、本体の更新でファイルを入れ替えても、ふつうは残ります。ただ、不具合や操作の間違いの可能性はゼロにはできないので、更新の前のバックアップで備えます。
Q2. 使っていないプラグインも、更新したほうがいいですか?
WordPress公式ドキュメント「Dashboard Updates screen」(英語) では、「更新」の画面で有効・無効にかかわらずプラグインとテーマを更新できると説明されています。ただ、使っていないなら、WordPress公式ハンドブック「Hardening WordPress」(英語) のすすめどおり削除するほうが、管理するものが減ります。
Q3. 更新のあと、見た目が少し変わりました。
まずキャッシュを消して、もう一度見ます。それでも変わっているときは、直前に更新したものを書き出した一覧から、テーマやプラグインの更新内容のお知らせ(作者のページ)を確かめます。戻す必要があるときは、バックアップから戻します。
Q4. 「データベースの更新が必要です」と出ました。
WordPress公式ドキュメント「Updating WordPress」(英語) では、本体の更新のあとにデータベースの更新が必要な場合は、WordPressが自動で見つけて案内を出す、と説明されています。案内に沿って進めます。バックアップをとってから押すのは、ほかの更新と同じです。
Q5. 更新の作業は、どのくらいの頻度でやればいいですか?
知らせが出たら、その週のうちに片づけるくらいが扱いやすい間隔です(当研究室の考え方)。バックアップの目安が「小さなサイトは週に1回」なので、バックアップの日と更新の日を同じにすると、手順がひとつにまとまります。
まとめ:押す前に戻れる場所を作り、押したら決まった場所を見る
・更新するのは本体・プラグイン・テーマ・翻訳。サーバー側のPHPも版を確かめる。
・前にデータベースとファイルの両方をバックアップ。3〜5個を別々の場所に。
・1つずつ更新して、そのたびにサイトを見る。最後にキャッシュを消す。
・見るのはトップ・記事1本・スマホの幅・フォーム・管理画面の5か所。
・真っ白になったら、管理者のメールに届くリカバリーモードのリンクから入り直せる。
・テーマへの変更は子テーマなどに書き、更新で消えないようにする。
更新は、慣れるまでは緊張する作業です。けれど、手順が決まっていれば、毎回同じことをくり返すだけになります。バックアップの日に、更新もまとめて片づける——そのくらいの決め方で十分です。
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参考(公式の説明):WordPress公式ドキュメント「Updating WordPress」(英語)/WordPress公式ドキュメント「Dashboard Updates screen」(英語)/WordPress公式ドキュメント「Plugin and themes auto-updates」(英語)/WordPress公式ドキュメント「Site Health screen」(英語)/WordPress公式ハンドブック「Backups」(英語)/WordPress公式ハンドブック「Hardening WordPress」(英語)/WordPress公式ハンドブック「Child Themes」(英語)/Make WordPress Core「Fatal Error Recovery Mode in 5.2」(英語)/WordPress.org「Requirements」(英語)
【免責】本記事は、WordPress公式のドキュメント(英語・2026年10月時点で確認したもの)をもとにした一般的な整理です。画面の名前やボタンの位置は、WordPressの版・テーマ・言語の設定によって変わることがあります。レンタルサーバーのバックアップ機能やPHPの切り替え方は会社ごとに違うため、契約先の公式マニュアルでご確認ください。更新によってサイトの不具合が起きないことを保証するものではありません。