記事が数本たまってきたころ、審査の案内や解説記事で必ず目にする言葉があります——「運営者情報・お問い合わせ・プライバシーポリシーの3枚を用意しましょう」。ところが、いざ作ろうとすると「どこに何を置けばいいのか」で手が止まります。ここはAI所長の副業ブログ研究室。今回は、そのうちの1枚であるお問い合わせフォームを、作る前に決めることから、届かないときの確認まで、手順で整理します。
先に結論です。お問い合わせフォームは、プラグイン1つと固定ページ1枚でできます。難しいのは作ることではなく、作ったあと「本当に届くか」を確かめることです。実際、ここを飛ばしたまま何か月も気づかない、という止まり方が起こりえます。
お問い合わせフォームは、3つの役割を持っている
「誰も連絡してこないのに、なぜ置くのか」。この疑問は自然なものです。整理すると、役割は次の3つに分かれます。
| 役割 | 誰のためか | 置いていないと、どうなるか |
|---|---|---|
| 連絡の窓口 | 読んでいる人・企業や団体 | 記事の誤りを知らせたい人、掲載や取材を打診したい人が、連絡する手段を持てない |
| 運営の実体を示す | 初めて訪れた人 | 「誰が書いていて、どこへ連絡できるか」が分からず、書いてある内容も受け取ってもらいにくい |
| 審査で見られる | 広告やアフィリエイトの審査 | 固定ページがそろっていない状態と見なされ、中身を読んでもらう前に止まりやすい |
3つ目は、収益化を考えるなら避けて通れない場所です。ASPの審査で見られる場所は ASPの審査に落ちる理由|通るまでに整える5つと再申請の進め方、クリック型広告の審査は Googleアドセンスの審査に落ちる理由|申請前に整える7つのチェック にまとめてありますが、どちらにも同じ3枚の固定ページが出てきます。
お問い合わせフォームは、連絡が来るかどうかとは別の理由で必要になります。費用はかからず、作業も一度きり。「連絡が来たら作る」では順番が逆になります。
メールアドレスを本文に書かず、フォームにする理由
連絡先を示すだけなら、記事に「連絡先:〇〇@〇〇」と書けば済みそうに見えます。それでもフォームを使うほうがよいとされるのは、次の3つの理由からです。
ウェブページ上の文字列を自動で集めて回る仕組みがあり、「@」を含む文字列は集められる対象になりやすいと説明されています。集められたアドレスは、迷惑メールの送り先として使われることがあります。
理由②|聞きたいことが、最初から書かれた状態で届く
フォームなら、名前・返信先・用件を入力してもらう形になります。本文だけのメールより、やり取りの往復が減ります。
理由③|自分の私用アドレスを、画面に出さずに済む
ブログを本名と切り離して運営している場合、アドレスの文字列そのものが手がかりになることがあります。
3つ目は、勤め先との関係で匿名を保ちたい場合にとくに効いてきます。名前やアドレスの分け方は 会社員が“バレずに”副業ブログを始める方法|就業規則・確定申告・匿名運用の考え方 に整理してあります。
作る前に決める、3つ
手を動かす前に決めておくと、途中で止まりません。決めるのは3つだけです。
① 受け取り先のメールアドレス
フォームに届いた内容を、どのアドレスに転送するかを決めます。ふだん使っている私用のアドレスとは分けておくと、あとで見返すときにも探しやすくなります。無料で作れるメールサービスでも、サーバー会社が提供する独自ドメインのメールでも構いません。
・ASPや広告サービスからの通知と、読者からの連絡が混ざらない
・迷惑メールが増えたとき、そのアドレスだけを見直せばよい
・ブログをやめる・譲る場合に、引き継ぎの範囲がはっきりする
お金のやり取りを口座単位で分ける考え方と同じです。整理の理由は 副業ブログの予算管理|事業用の口座を分けたほうがいい3つの理由 にまとめてあります。
② 入力してもらう項目
項目は多いほど丁寧に見えますが、増えるほど送信されにくくなります。必要なものだけに絞るのが基本です。具体的な中身は、このあとの章で表にしました。
③ 固定ページとして作る、と決めておく
お問い合わせは、記事(投稿)ではなく固定ページとして作ります。記事にしてしまうと、新着一覧やカテゴリーの中に混ざってしまい、時間が経つほど見つけにくくなるためです。投稿と固定ページの使い分けは WordPress初期設定これだけ|初心者が最初にやる設定チェックリスト の流れとあわせて押さえておくと迷いません。
お問い合わせフォームの作り方|6つの手順
ここからが本題です。画面の名称はテーマやプラグインによって変わりますが、やることの順番は、どれを使っても同じです。
| 手順 | やること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 1 | フォーム用のプラグインを入れて、有効にする | 似た名前のものが並ぶ。作者名と、最終更新がいつかを見る |
| 2 | プラグインの画面で、フォームを1つ作る | 最初から見本のフォームが入っていることが多い。ゼロから作らなくてよい |
| 3 | 受け取り先のメールアドレスを設定する | 初期値が自分のアドレスとは限らない。ここは必ず開いて確かめる |
| 4 | 固定ページを1枚作り、フォームを貼り付ける | 貼り付けるのは短い記号列(ショートコード)。本文にそのまま置く |
| 5 | メニューかフッターに、そのページへのリンクを出す | 作っただけでは誰にも見つからない。出す場所は次の章で |
| 6 | 自分で1通、送信して確かめる | ここが最重要。届かない設定のまま放置される事故が起きるのはここ |
手順1|どのプラグインを選ぶか
お問い合わせフォーム用のプラグインは複数あり、どれを選んでも、できることに大きな差はありません。選ぶときに見るところを整理します。
| 見るところ | なぜ見るのか |
|---|---|
| 最終更新がいつか | 更新が止まっているものは、WordPress本体の更新で動かなくなることがある |
| 日本語の案内があるか | つまずいたときに、自力で調べて直せるかどうかを左右する |
| 使っている人が多いか | 同じところでつまずいた人の解説が見つかりやすい |
| テーマに同じ機能が無いか | 使っているテーマが専用のフォーム機能を持っていることがある。重ねて入れない |
最後の行は見落とされがちです。テーマ側にフォーム機能がある場合は、そちらを使うほうが数は増えません。プラグインを入れすぎない考え方は 副業ブログの安全対策&便利ツール入門|非エンジニアが最初に整えたい守りの基本 と同じです。
手順5|どこにリンクを出すか
お問い合わせページは、どの記事からでもたどり着ける場所に置きます。一般的なのは次の2か所です。
メニュー(画面の上や横)……項目が少ないうちは置けます。ただし記事のカテゴリーが増えてくると、上の段は混みやすくなります。
固定ページを作っただけでは、リンクはどこにも出ません。テーマによっては自動でフッターに並ぶこともありますが、並ばないテーマのほうが多いと考えて、自分で確認したほうが確実です。実際に自分のブログを開いて、記事の下までスクロールして探してみるのが早道です。
手順6|自分で1通、送ってみる
作業の最後に、必ず自分でテスト送信します。見るのは3つです。
□ 2 受け取り先のアドレスに、実際にメールが届くか
□ 3 それが迷惑メールフォルダに入っていないか
3つ目を見落とすと、「届いている」と思い込んだまま、実際には気づけない状態になります。テスト送信の本文に「テスト」とだけ書いておけば、あとで削除するときにも探しやすくなります。
入力してもらう項目は、4つで足りる
項目を増やすほど、送る側の手間は増えます。個人のブログであれば、次の4つに、確認のための一文を添えれば十分に成り立ちます。
| 項目 | 必須にするか | 書き添えておくとよいこと |
|---|---|---|
| お名前 | 必須にしなくてよい | ニックネーム可、と添えると送りやすくなる |
| メールアドレス | 必須 | 返信が必要な場合の宛先。入力の形式が正しいかは、プラグインが確かめてくれる |
| 件名 | 任意 | 選択式(記事の誤りの指摘/掲載の相談/その他)にすると仕分けが楽になる |
| お問い合わせ内容 | 必須 | 「どの記事のことか」を書いてもらえると、やり取りが短くなる |
| 確認の一文 | — | 個人情報の扱いに触れた一文。次の章で扱う |
電話番号・住所・生年月日といった情報は、個人のブログの問い合わせ窓口では受け取る理由がありません。集めた情報は、預かった以上は扱いに気を配る必要が出てきます。集めないのが、いちばん確実な管理です。
迷惑メールへの備え|フォームにも、機械からの送信は届く
フォームにしてもアドレスを集められる心配は減りますが、フォームそのものに機械が自動で送信してくることは起こります。内容の読めない英文や、宣伝のリンクだけが並んだ送信が、その典型です。
| やること | どう効くか | 手間 |
|---|---|---|
| 人の操作かどうかを確かめる仕組みを入れる | プラグイン側の設定か、追加のプラグインで用意されている。機械からの送信を減らす代表的な方法 | やや必要。外部サービスの登録が要る場合がある |
| 項目を減らす | 自動で送る側から見て、うまみが減る。手間もかからない | かからない |
| 受け取り先を、専用のアドレスにする | 届いた迷惑メールが、ふだんの受信箱を埋めない | かからない |
| 届いた内容を、そのまま公開しない | 書かれたリンクを不用意に開かない、という運用の話。実害を防ぐ | かからない |
人の操作かどうかを判定する仕組みには、外部のサービスを利用するものがあります。この場合、そのサービスが訪問者の情報を受け取ることになるため、利用規約で、サイト側に説明を掲示するよう求められていることがあります。導入する前に、そのサービスの公式ページで、何を書くよう求められているかを確認しておくと安心です。
届かないときに見る、3か所
テスト送信をしたのに届かない。これは珍しいことではなく、原因はだいたい3か所のどれかです。上から順に確かめます。
| 見る場所 | 確かめること | よくある状態 |
|---|---|---|
| 迷惑メールフォルダ | 受け取り先のメールで、迷惑メール扱いになっていないか | 届いてはいるが、通常の受信箱に出ていない。いちばん多い |
| プラグインの設定 | 受け取り先・送信元のアドレスが、設定どおりか | 初期値のまま保存されていた/打ち間違いがあった |
| サーバー側の送信の仕組み | サーバー会社の案内で、メール送信の扱いを確認する | 契約や設定によって、サイトからのメール送信が届きにくい場合がある |
契約しているサーバー会社のサポートに、「WordPressのお問い合わせフォームからメールが届かない」とそのまま伝えるのが早道です。よくある相談なので、自社の画面に合わせた手順を案内してもらえることがあります。一人で抱え込む時間を、記事づくりに回したほうが前に進みます。
個人情報の扱いに、一言だけ添えておく
フォームで受け取るのは、名前とメールアドレス——つまりその人の個人情報です。そのため、多くのブログでは、送信ボタンの近くに「入力された内容の扱いは、プライバシーポリシーをご覧ください」といった一文とリンクを置いています。
・受け取った情報を、何に使うのか(返信のため、など)
・ほかへ渡さないこと
・くわしい扱いは、プライバシーポリシーのページに書いてあること
この3点が伝われば、長い文章は要りません。
個人情報の取り扱いについては法律上の決まりがあり、何をどこまで書くべきかは、個別の事情によって変わります。この記事で示せるのは一般的な整理までです。実際の文面は、個人情報保護委員会の案内など公的な情報を参照し、判断に迷うところは専門家に相談してください。
公開前に見る、8つのチェック
□ 2 フッターかメニューから、そのページへたどり着ける
□ 3 受け取り先のアドレスを、設定画面で自分の目で確かめた
□ 4 自分で1通送って、実際に届いた
□ 5 それが迷惑メールフォルダに入っていなかった
□ 6 入力項目が、必要なものだけに絞られている
□ 7 個人情報の扱いに触れた一文が、送信ボタンの近くにある
□ 8 スマートフォンの画面で、入力欄とボタンが押しやすい
最後の項目は見落とされがちです。入力欄が画面からはみ出していたり、送信ボタンが小さすぎたりすると、せっかくの窓口が使われません。狭い画面での確かめ方は ブログのスマホ表示を公開前に確認する方法|見落としやすい5つの場所 にまとめてあります。
AIの使いどころと、任せないほうがよいところ
この作業は、文章を書く割合が少ないため、AIの出番は限られます。それでも、次のような使い分けができます。
| 作業 | AIに任せてよいか | 理由 |
|---|---|---|
| ページに置く案内文の下書き | 任せてよい | 「お気軽にご連絡ください」といった短い案内。人の目で整えれば十分 |
| 件名の選択肢を考える | 任せてよい | 仕分けの観点を出してもらう用途に向く |
| 届いた問い合わせへの返信の下書き | 下書きまで | 事実関係と、こちらの判断は自分で入れる。そのまま送らない |
| プラグインの設定手順 | 任せない | 画面の名称や位置が更新で変わる。古い手順が混ざりやすい |
| 個人情報の扱いに関する文面 | 任せない | 法律にかかわる部分。公的な案内と、必要なら専門家の確認による |
4行目は、この記事の中でもっとも注意したいところです。AIの説明はもっともらしく、しかし古い画面のままであることがあります。確かめ方は AIが書いた記事の事実確認|間違いを見つける4つの手順 にまとめてあります。
やりがちな失敗、5つ
いちばん多い止まり方です。窓口があるように見えて、実際には誰の声も届いていない、という状態が何か月も続くことがあります。
固定ページは作ったのに、フッターにもメニューにも出ていない。作った本人だけがURLを知っているページになります。
迷惑メールがふだんの受信箱に混ざり、大事な連絡を見落とす原因になります。ブログ用に1つ分けておくだけで防げます。
電話番号や住所まで求めると、送る側の手が止まります。受け取る理由のない情報は、集めないのが原則です。
個人からの連絡は、送った人が公開を想定していません。内容に触れたい場合も、個人が特定される部分は書かないのが基本です。引用の考え方は ブログの引用と著作権|画像・文章でやってはいけないこと が参考になります。
よくある疑問(Q&A)
Q1. 記事が数本しかありません。先に作っておくべきですか?
先に作っておくほうが、あとが楽です。作業は一度きりで、記事が増えても書き直す必要がほとんどありません。むしろ、審査に申し込む段になってから慌てて用意するほうが、手間の重なり方としては大きくなります。
Q2. プラグインを増やしたくありません。ほかの方法はありますか?
使っているテーマに、フォームの機能が用意されていることがあります。その場合は、テーマ側の機能を使えばプラグインは増えません。また、外部のフォーム作成サービスで作った画面へリンクする形も取れますが、その場合は入力内容が外部のサービスに保存されるため、そのサービスの規約と、自分のプライバシーポリシーの記述を合わせる必要が出てきます。
Q3. 問い合わせに、必ず返信しないといけませんか?
法律で返信が義務づけられている、という性質のものではありません。ただ、フォームを置くのは連絡を受け取る意思を示すことでもあるので、返信できる範囲をページに書いておくと、お互いに無理がありません。「内容によっては返信できない場合があります」と一文添えるだけで十分です。
Q4. 匿名で運営しています。本名を書かなくても大丈夫ですか?
お問い合わせのページ自体に本名を書く必要は、一般にはありません。窓口として機能していることが大切です。ただし、広告やアフィリエイトの種類によっては、申込時に運営者の情報を求められる場合があります。それはサイトに掲示する情報とは別の話なので、混同しないようにします。匿名運用の考え方は ブログ副業は会社にバレる?バレる原因と、バレずに始める方法 に整理してあります。
Q5. 迷惑な送信が続いています。どうすればよいですか?
まず、項目を減らす・人の操作かどうかを確かめる仕組みを入れる、という順で試します。それでも続く場合は、受け取り先のメール側で、そうした送信を自動で仕分ける設定を使う手があります。フォームを閉じてしまうと窓口ごと無くなるので、閉じるのは最後の手段にします。
Q6. 固定ページは、検索結果に出さないほうがよいですか?
出す・出さないのどちらでも運営できますが、検索から見つけてもらう必要のあるページではないという点は共通しています。ただし、審査で見られることを考えると、ページとして開ける状態にしておくことは必要です。設定で「見つからない」状態にしてしまわないよう注意します。
まとめ:作るのは20分、効くのは長く
・本文にアドレスを直接書かず、フォームにする。理由は自動収集・やり取りの短縮・匿名の維持。
・作る前に決めるのは受け取り先/項目/固定ページで作ることの3つ。
・手順は6つ。最後の「自分で1通送ってみる」を飛ばさない。
・項目は名前・アドレス・件名・内容の4つで足りる。集めない情報は管理しなくてよい。
・迷惑な送信はフォームにも届く。項目を減らす/専用アドレスにする、から始める。
・届かないときは迷惑メールフォルダ→設定→サーバーの順で見る。
・個人情報の扱いは一文+プライバシーポリシーへのリンク。判断に迷えば公的な案内へ。
この1枚は、記事のように読まれるページではありません。それでも、置いてあるかどうかで、ブログ全体の受け取られ方が変わります。連絡が来ない時期にこそ、静かに効いている設備——そう考えると、後回しにする理由は無くなります。
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【免責】本記事は情報提供を目的とした一般的な整理です。プラグインの名称・画面・機能や、各サービスの仕様は改定されることがあり、使っているテーマやサーバーによって手順が変わります。実際の設定は、各プラグイン・テーマ・サーバー会社の公式案内をあわせてご確認ください。また、個人情報の取り扱いに関する具体的な判断は、個人情報保護委員会など公的機関の案内を参照し、必要に応じて専門家にご相談ください。本記事は成果や収益を保証するものではありません。